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僕はパパを殺すことに決めた 奈良エリート少年自宅放火事件の真実 |草薙 厚子

僕はパパを殺すことに決めた 奈良エリート少年自宅放火事件の真実僕はパパを殺すことに決めた 奈良エリート少年自宅放火事件の真実
草薙 厚子
講談社 刊
発売日 2007-05-22
価格:¥1,575(税込)
オススメ度:★★★★




”僕”とその他の人の思惑のズレ 2007-06-11
深く考えないで読むと意外とさらっと読めてしまう本。



その為、心の底読み込もうと思うとこの調書だけでは物足りないかもしれない。著者の思惑もあるのか調書がかなり偏った選び方になっている。とはいえ、最初の方に書いてある実母の供述調書が非常に興味深い。父親との意見・記憶の食い違いも読みどころ。(著者の主観に左右されないように注意は必要だが)

この事件の非は、少年に関わった全ての人にある、と実感できる1冊。



著者の意見は”意見”でかなり思い込み偏りがある。完全な中立になりえていないので、調書の部分を取り上げていくと事件の背景が様々な角度から読み取れる。ひとりの人間ができ上がるのにこれだけの人が関わり、時間をかけて蝕んでいく様子がよくわかる。



誤解してもらっては困るが、けっして面白おかしくはやし立てている書ではないのでこの事件を面白おかしく漫画チックに知りたい人にはお薦めしない。



☆が3つなのは、著者が”少年がこうなった全ての原因は父親にある”と言わんばかりの1冊に仕上がっているからだ。

本当にそうだろうか?

カギは、人間のもつ特質 2007-06-10
テレビや新聞では知ることのできない貴重なモノです。

少年の胸の内、育った環境、特質である"広汎性発達障害"。

少年少女の事件を観る上で、

また子育てをする親として、

"広汎性発達障害"を知っていると知っていないとでは、

天と地の差があると思います。

次の悲劇を避けるためにも…。

少年法の壁 2007-06-10
本書は奈良放火事件で、継母、義兄弟の三人を殺害した少年の供述調書をベースに少年の肉声を綴ったもの。医者である父親による強制的な勉強命令という"家庭内暴力"の抑圧に耐え切れず、犯行に及んだ少年の声が生々しく語られる。著者の思い入れは余計だと思うが。



私は一児の父なのだが、内容を良〜く読んでみると本件は特殊な環境下のものではなく、ありがちな状況下である。著者の意図は、事件を隠さず、本件が一般の家庭にも関係する普遍的なものだと言う事を訴えたかったのかもしれない。単なる売名行為かもしれないが。実際に、著者と出版社は奈良家裁から、供述調書の不正引用で抗議を受けている。



私が不幸な状態だと思うのは、こうした事件の真相が犯人が10代だと言うだけで、闇に埋もれてしまうケースが多いという事である。少年法の壁である。その真相に迫ろうとすれば、上述の通り、裁判所と争うようなハメに陥ってしまう。本来はオープンにすべき問題ではないのか。何でも欧米流が良いとは言えないが、イギリスなどでは事件が凶悪な場合、犯人が10才程度であっても、氏名は勿論、事件の背景を公にするそうである。日本では、10代(特に前半)はまだ未熟で、その後必ず更正の余地があるという根拠の無い信仰が存在するようである(これは裁判所も著者も共通)。また事件が起きた時、誰の人権を尊重するかという点でコンセンサスが取れていないように思える。



少年の供述調書の内容そのものより、真相を明らかにするために不正に供述調書を引用せざるを得なかった状況によって、種々の問題を提供してくれる問題の書。


さらに詳しい情報はコチラ≫


この記事は2007/6/16に作成しました。

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